Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
小嵐 淳; 安藤 麻里子; 石塚 成宏*; 角野 貴信*; 守屋 耕一*; 中西 貴宏
no journal, ,
土壌は陸域生態系における最大の炭素貯蔵庫であり、絶えず大気と炭素の交換を行っているため、将来の気候変化により炭素の発生源・吸収源のどちらにもなりうる。土壌に蓄積する炭素がどのように振舞うかを予測するためには、土壌がどのくらい長く炭素を貯留しているかを定量的に明らかにする必要がある。われわれは、国内の4つの森林サイトから採取した土壌に対して、有機物の分画と放射性炭素分析を行い、土壌炭素の数年から数千年の滞留時間を推定し、土壌ごとに異なる滞留時間分布、すなわち異なる分解性を持つことを定量的に明らかにした。土壌の全炭素貯留量は、滞留時間が100年以上の炭素貯留量と正の相関がある一方、100年未満で代謝回転する炭素との間には相関性がないことを見いだした。この結果は、炭素貯留量が多い土壌が必ずしも高いCO放出ポテンシャルを有しているわけではないことを示唆している。
中西 貴宏; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 平井 敬三*
no journal, ,
森林土壌において、溶存有機炭素は、鉛直移動に伴う有害物質の輸送,土壌への炭素固定,微生物活動の栄養源など、重要な役割を担っている。本研究では、水抽出溶存有機炭素(WEOC)の炭素同位体組成(C・C)から、岩手県安比ブナ林での溶存有機炭素の動態を推定した。Cの結果より、土壌から生物利用性有機物(糖類,アミノ酸など)が優先的に分解されてWEOCが生成されていることが明らかになった。このことは、親水性有機物と疎水性有機物へのカラム分画実験の結果からも示唆された。また、Cの結果より、WEOCの滞留時間が土壌有機物に比べてずっと短い(数十年以内)ことが明らかになった。
守屋 耕一*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 森泉 純*; 山澤 弘実*; 平井 敬三*
no journal, ,
土壌有機炭素は陸域で最大の炭素リザーバーであり、土壌有機炭素分解は大気中二酸化炭素濃度に大きな影響を与えることから、土壌有機物の分解特性を評価することは重要である。本研究では土壌培養とC分析を組合せ、三成分一次元モデルを用いることで、土壌有機物を滞留時間の異なる三成分に分別した。その結果、数週間の滞留時間を持つ成分は全炭素量の約1%であり、数年の滞留時間を持つ成分は全炭素量の30-50%を占めていることが明らかになった。また前者の成分は培養初期の炭素放出量に大きく寄与し、後者の成分は全培養期間を通し大きく寄与していた。最も滞留時間の長い成分は、全炭素量の50-70%を占めていたが炭素放出量への寄与は10%程度であった。この結果から、比較的速く分解されるこれらの成分の挙動を正確に評価することが、温暖化に対する土壌の応答を評価するうえで重要である。
安藤 麻里子; 小嵐 淳; 守屋 耕一; 中西 貴宏; 石塚 成宏*; 平井 敬三*
no journal, ,
土壌呼吸は陸域から大気へのCO放出の主要な経路である。地球温暖化による土壌呼吸の増加が懸念されることから、その正確な評価が求められている。アジアフラックス観測サイトの一つ(岩手県安比森林気象試験地、ブナ林)を対象として、土壌呼吸・土壌有機物・大気中COの炭素同位体比( Cと C)を測定した。得られた結果より土壌呼吸起源を評価し、土壌呼吸の季節及び空間変動要因を推定した。各土壌呼吸起源(リター分解,土壌有機物分解,根呼吸)の寄与率は異なる季節変動を示し、地温の上昇に対するCO放出速度の増加率は、土壌有機物分解が最も高く、次いで根呼吸であった。土壌呼吸速度と炭素同位体比の分布の関係から、春期はリター分解の増減が土壌呼吸の主要な変動要因であると考えられた。夏期には土壌有機物分解が空間変動に寄与することが示唆されたが、土壌呼吸速度の空間分布パターンは春期と夏期で同じであることから、その変動要因はリター量の空間分布に関連していると考えられる。